ニッポニカについて |
探検隊
私はなぜ、ニッポニカの団員になったか
コントラバス M
ニッポニカ第1回演奏会の時、私は観客の一人でした。名も知らぬ邦人の作品を演奏するオケと知り、「東京ってすごいところだなー、母集団が大きいからこういうオケもできちゃうんだ。」と素朴に思いながら紀尾井ホールに足を運んだものでした。
その後、第3回の時にチェロのYさんからお誘いの言葉をいただきました。
「Mさん、是非一度見学にいらっしゃって……まあ!では、次の土曜日に……練習場所は北区で……楽器も用意しておきますから弓をお持ちくださいね……」「は、はい……弓……?」といった具合に、まずはお手伝いとしてニッポニカで楽器を弾くようになりました。
オーケストラというものは登山隊のようなもので、よくとりあげられる有名な曲は難易度や目的が割とはっきりした山のようなものです。しかしニッポニカは単なる登山隊ではなく、どうやら探検隊らしいのです。(私の目から見ると今でも不思議に映るのですが)メンバーが古地図をどこかから見つけてきて「結構近場にこんな山があるんだけど、どう?」「お、いいねえ」と言って、探検に出かけるのです。素敵なピクニックになるのか、霊峰に心打たれるのか、はたまた先見えぬ死の行軍となるのか、それは足を踏み入れてみないと分かりません。このわくわく感が気に入った点の一つです。
そしてもう一つ気に入った点、それはニッポニカが邦人作品“だけ”を演奏する団体ではないということです。芸術作品の面白さは“個性の違い”にあります。漫然と「有名な曲だけ」「邦人作品だけ」を演奏するのではなく、“違い”に切り込んでいく。そういう姿勢があると思い、私はニッポニカの団員になりました。
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